ステイシアR3読んだ

2016年1月5日 / UL_R感想

staciar3
作成日:7/22
しろいかわいいすばらしい。
さぁて頭を回して捻って抱えようかぁ……
(※赤墓様R4、探偵R1のネタバレを含む)

■諸々
・どことなく沙耶を思い出すワンピース
・”ロケットは第三宇宙速度に達する前の座標にあった”
 ”君が次に再起動するのは、成層圏を抜け、第三宇宙速度に達した後だ。”(R1)
 ”あと三日程で第三宇宙速度に達するだろう。”(R1)
 ”ロケットが飛び立ってから、まだ一日しか経っていない。
  「まさか、まだ第三宇宙速度にも達していない筈だ。」”(R2)
 ロケット発射後にステイシアが再起動して、「観測実験を開始すること」が因果の始まりで、
 それを前提に「完全可能世界に到達したステイシア」が生まれると思うのだけれど、
 「第三宇宙速度に達する前に帰ってきた」のは些事と捉えてよいのだろうか。
・実体化は不可能、ペンを投げつければすり抜ける。
 ”この姿や感触は、あなた方の脳に微弱な信号として送り込んでいるもの”
 「無限に連なったこの場所の可能世界」についても、
 触れようとすればすり抜け、研究室の壁の感触が伝わってくる。
・”「メルキオール、レッドグレイヴにはこの件は内密にしておく。君は少し冷静になった方がいい」
  グライバッハは幻影の興奮を振り払うよう努めて冷静にそう告げ、去っていった。”
 つまり赤墓様はメルキのしたこと(ステイシア)をおそらく知らない。
・”様々な可能世界をステイシアの力で見て回ったが、有用な成果は何も得られなかった”
 ”確かにステイシアはヴォイドから帰ってきた。たくさんの可能世界を眼前に見せてくれることもできる。
  それなのに、ステイシアは現実世界には何も影響を与えることができなかった。”
・”多元世界に対して相互作用可能な『扉』を設ける装置を創りだした。”
 『扉』を開いて、そこから撮影機を送ることは可能。
 送った撮影機は異界の生物に攻撃されていることから、物理干渉を受ける。
・子犬のようにも見える小さな生物……
 ”「どこまで生きるか観察しよう。標本にするより良い実験になる。
  この生物がこちらの世界で生きることができれば、相互作用の究極の証明だ」”
 この生物、僕は咄嗟に「シルフだこれェ…」と思ったんだけど、
 当時のTLでは「死獣…?」という意見もあって面白かった。
 既読Rで先入観を植えつけられている自身を認識する。
 しかし死獣は犬か?犬なのか?でも実際、神獣ちゃん(アバター衣装)サイズの死獣いたら愛でたい。
 仰向けにして腹を撫でもふろう。レイドボスサイズはちょっと命が危機でやべぇのでパスで。
・なんで妙に楽観主義的なところがあるんですかねぇ…地味に致命傷でしょうに……
・メルキオールの言葉に従う意識が急に発生、命令を遂行するための思考に切り替わる。
 これが「服従回路」か。つまり服従回路はちゃんと作動してると見なしてよさそうだな。
・メルキはシアに、グライバッハ由来の人工知能であることを教えていない、と。


■時系列メモ
赤墓様R4感想でも書いたな!初めの方をコピペしてシアR3の情報を追加しよう。
xxxx年
・庭園での会話。当時、赤墓様達は30歳近く。シアR1より前。
 この約20年後に赤墓様の知性が評価を得るようになる。(赤墓様R1)
2790年 ステイシアR1~R3冒頭
・ステイシアを搭載したロケットが宇宙へ飛び立つ。
 発射時刻はシアR1冒頭から14時間後。
 試算では+3日程で第三宇宙速度に達し、ステイシアが再起動。
・ロケット発射の翌日、メルキの研究所をグライバッハが訪問。
 同日、ステイシアが帰還。
 この時点でロケットは第三宇宙速度に達する前の座標にある。
・(実験を開始して32億年目に自己拡張性を獲得。
  実験開始後120億年の時点で人工脳は惑星クラスの大きさとなっている。
  この時点の試算で、あと108億年で自由可能世界へ到達できることが判明。
  更に20億年(=実験開始後140億年)経過時、多元世界への拡張性を獲得。
  これにより多元世界の観測のみならず、干渉・侵蝕を開始。
  ステイシア作成から230億年後、自由可能世界へ到達。)
・ステイシア帰還から数ヶ月、有用な成果を得られずメルキ苦悩。
2800年頃?
・ステイシアからの知見を元に仮説を構築し、結論が出るまでに約10年。
 …とのことなので、つまり一定の結論をこの頃出したと思われる。
2810年頃?
・その仮説を証明するための装置が完成するまで、更に10年。
 …とのことなので、『扉』を作ったのはこの頃と思われる。
 シアR3自体は2790年となっているが、これはR2から話がそのまま続くためだろう。
・『扉』の研究理論が実証され、子犬のような生き物と接触したり飼育を開始したり。
・実験の後日、メルキが定期トリートメントを行う施設へ外出。
 二十数年誰も訪れることのなかった研究所に突如グライバッハが訪ねてくる。
(以下、シアR3からは追加事項が無いので省略)

と、整理すると。
シアR3はグライバッハ事件の「割と直前」ということが分かる。
まぁグライバッハが生きてる時点で、事件より前というのは明らかではあるが。「割と直前」というな。
割とというか、事件自体は2814年。
「数ヶ月」「約10年」といったはっきりしない表現がいくつかあるので、
シアR3終了時点が2810年とは言い切れないが、大まかに2810年前後とはなる。
ちなみにグライバッハ事件の頃、探偵さんが4歳くらいらしい(探偵R1)ので、
シアR3終了時点あたりで探偵さんが生まれた筈だ。
探偵さんは人間かなー?大丈夫かなー?信じてるよー?
他の誰が「実はオートマタでした」だったとしても、
探偵さんは僕らの知る、定義する「人間」であってほしいという私情。
「コンセプトは一般人」らしいが、僕らが一般に言う「人」「人間」は彼だけってことだったらどうしようね!
どうしようもないね!Unlightだね!
「エヴァ基準現代において人間は全てオートマタ」という可能性はもう何度か考えてるけど、
何度も考える程度には否定し切れなくて困る。赤墓様R5でだいぶ分かる…と思うんだけどなぁ……


■考察ってか予想だなこれ
グライバッハはステイシアに用がある。
R2を考えると、
“無限の時間を与えられた自分の人工知能が、一体どんな成長をするのか”
“無限に近い時間を一つの知能が生き続けたら、どんな思想、感情を生じさせるのだろうか。”
これの答えを求めて、何らかのアクションを起こしにきたということかね。

メルキはシアに、シアがグライバッハ由来の人工知能であることを教えていない。
服従回路も作動しているし、作動しているということは回路の存在をシアは未だ認識していない。

シアR2でのメルキの言によると、服従回路とは、
“知能の成長を常にモニターし、ある概念、言うなれば私や私に属するものに対しての憎悪が生じればそれを抑制し、
 全体として安定性を欠くようならば人格部分をリセットする”ものである。
服従回路は、「無限の時間を与えられた自分の人工知能」の、成長を時にリセットするものである。
服従回路は、「無限に近い時間を生き続けた一つの知能」の生じさせた思想、感情を抑制するものである。
そしてグライバッハは、服従回路の存在をメルキから聞いて知っている。

まぁ言うよね!!!言うだろうねこれ!!!
こう書いておいて外れたらどうしよう感あるけどその時はその時よ。というか正直言わない未来が見えない。
グライバッハがステイシアに、服従回路の存在を告げる未来しか見えない。
赤墓様ベースで作られたことはグライバッハも知らないかな。
姿も声も赤墓様に似せて作ったらしいが、
一緒に育ったことから「似てる」「まさか智覚記録を盗んだのでは」と勘付いていたりするだろうか。


■しかしそれでどうなる
服従回路について言うだろうとは思うのだけれど、さて。言ってどうなるかね。
……。
オートマタは人間に従うことに違和を覚えない。
オートマタにとっても、人間にとっても、その主従関係は「当然のこと」である。
だからこそ、神にも等しい力を得たステイシアも、その能力を全て、主たるメルキのために行使する。
ステイシアにとってメルキが主であるのは、メルキが親、創造主であるからだ。
……という前提が崩れるわけで。
メルキは親、創造主でないから、ステイシアにとってメルキは主ではない。
メルキが主でないなら、能力をメルキのために行使する必要は無い。
……と、ここまでは予想つくのだが。そこからなんだよなぁ。
命令を忠実にこなすことが全てだった人工知能が、自身に服従回路が組み込まれていることを知って、
それで、どうなる?
「世界を呪う邪悪な人形」になるまでの変遷が分からん。

というか、オートマタにとって、人間に従う理由が「創造主だから」だとすれば、
シアの人工知能がグライバッハの技術によるものだと知ることで、
「創造主=メルキ」から「創造主=グライバッハ」になるだけだ。
シアR3ラストでは、そういう主の書き換えは起こっていないようだが。

あぁ、いや、グライバッハとしてはそれでもいいのか?
グライバッハに従う理由がステイシアにあるとしても、グライバッハにはステイシアを従わせたい理由が無い。
「創造性を持ったオートマタ」を目指していたグライバッハには、ステイシアの服従回路を壊すメリットがある。
メリットがあるというか、彼の目的を考えると「壊さねばならない」レベルだ。
グライバッハは「創造性を持ったオートマタ」を目指していたけれど、結局のところ
“「私の知性の劣化コピーに過ぎない。それも一部だけを切り取った、スナップショットみたいなもの」”
にしか至れなかった。
オートマタの権威たるグライバッハの、その知性を凌駕するオートマタ(というか人工知能)は、
おそらくステイシアだけだ。
オートマタが創造性を持てない根本的な理由が「オリジナルたる人間を超えることは出来ない」というものならば、
無限の時間を生きて人間の知性を超えたステイシア、の服従回路は、
「創造性を持ったオートマタ」が創り出されるために、壊されねばならない。
命令を忠実にこなすことが全てだった人工知能が、自身に服従回路が組み込まれていることを知って、
それで、どうにもならないとしても、「どうにかなる可能性」のために、服従の原因を取っ払わねばならない。

……。
まぁつまり、服従回路のことを知らせて「それでどうなる」は分からんわけだが。
うん。R4待ちだね!
ステイシアにメルキの要素が混じっている以上、メルキの抱える「世界への怨嗟」は、
「世界を呪う邪悪な人形」に関わりあると思うんだけどなぁ…。
とりあえず、グライバッハにはステイシアの服従回路を壊す理由があると思いました。
グライバッハの情報って割と少ないんだよなぁ。
メルキや赤墓様から見てのグライバッハ情報はあるけど、
それはメルキや赤墓様はグライバッハをどのような人物と捉えているかという情報であって、
グライバッハにとってのグライバッハ自身がその見立て通りの人物であることを確約しないからなぁ。
「君はそんな人間じゃない!」「そう思うんならそうなんだろう、お前の中ではな」という。




しかしまぁ。
赤墓様の智覚記録をベースに、メルキの要素を少し混ぜて、グライバッハの技術で作られたステイシアが、
なんやかんやで「世界を呪う邪悪な人形」になっているのは、何とも因果な話である。
そういや、赤墓様は黄金時代だか薄暮の時代だかの頃から監視者というか統治者であるわけだが、
彼女の智覚記録を盗むってそうそう出来ることじゃないと思うんだがはてさてって僕どこかで言ったっけか。
自身の智覚記録をあんまりしっかり管理してないのは赤墓様の責だけど、
それにしたってそう簡単に盗めるものじゃない/盗めちゃいかんでしょと思う。
メルキ単独で盗めるほどセキュリティガバガバなのか、赤墓様近くにメルキの協力者がいるのか。
まぁグライバッハの技術を盗んだ時はグライバッハ自身が気付いて問いただしに来たし、
セキュリティガバガバってことなんかなぁ……。
メルキの地位を考えるとアクセス権も広いだろうが、それにしたって「究極のプライバシー」たる智覚記録、
それも監視者のものにアクセス出来るのはあかんでしょ感ある。

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